教養民法基礎コース

契約って何?

Question【ケース0-4】

AさんがパソコンをBさんに売ろうとしています。
Aさん:「Bさん、10万円でこのパソコンを買いませんか?」
Bさん:「う~ん、よし!買った!」
というやり取りが二人の間にはありました。Bさんは契約書にはまだサインしていません。購入を迷い始めたBは、「契約書にサインしていないので契約は成立していない」といって代金の支払いを拒めるでしょうか?

契約には法的拘束力がある

民法で取り扱うほとんど内容が「契約」に関わるものです。

契約とは、簡単にいえば約束のことですが、単なる約束と異なり、法的な拘束力があります。

では、「契約」はどうすれば成立するのでしょう?最も典型的な契約である売買契約を例に考えてみましょう。

成立のために必要な事柄を成立要件といいます。

契約は口頭のやり取りでも成立する

この場合、Aの「10万円でこのパソコンを買いませんか?」という申込みに対して、Bが「よし!買った!」という承諾があって、売買契約は成立します。

つまり、申込みと承諾の合致が契約の成立要件です。

これを意思表示の合致と言います。

契約書が作成されていなくても、契約書にサインしていなくても、意思表示の合致さえあれば契約は成立します。
つまり、口約束でも契約は成立しているわけです。
では、契約書には何の意味があるのでしょうか?
それは証拠としての意味があるのです。意思表示の合致があったとしても何の証拠も残していなければ後日「言った!」「言ってない」という争いが生じますからね。

【図解0-4】契約の成立要件

契約の成立要件

契約の成立は債権・債務を発生させる

では契約が成立するとどのような効果が生じるのでしょうか?

契約が成立したことで、売主のAさんは、買主のBさんに対して、「パソコンの代金10万円を払ってくれ!」という請求ができる権利をもつことになります。これは、Bさんからみると、パソコンの代金10万円を支払わなければいけないという義務を負ったことになります。

「パソコンの代金10万円を払ってくれ!」という請求ができる権利のことを代金債権、パソコンの代金10万円を支払わなければいけないという義務を代金債務といいます。

一方、買主のBさんは、売主のAさんに対して、「パソコンを引き渡してくれ!」という請求ができる権利をもつことになります。これは、Aさんからみると、パソコンを引き渡さなければいけないという義務を負ったということになります。

「パソコンを引き渡してくれ!」という請求ができる権利のことを引渡債権、パソコンを引き渡さなければいけないという義務を引渡債務といいます。

このように売買契約は、売主Aに代金債権を、買主Bには引渡債権を発生させました。これが売買契約成立の効果ということになります。

【図解0-4】契約成立の効果

契約成立の効果

A・B双方とも、「債権者」であり「債務者」となっていることに注意して下さい!

Answer【ケース0-4】

契約は契約書の作成の有無と関係なく成立します(保証契約等一部の契約を除きます)。AB間には申込みと承諾の合致(意思表示の合致)がありますので、契約は成立しています。したがって、Bがまだ契約書にサインしていなかったとしても、いまさら購入をやめることはできず、10万円の代金の支払いを拒むことはできません。

【板書ノート0-4】

契約の成立要件-申込みと承諾(意思表示)の合致

契約成立の効果-両当事者に債権・債務関係を発生させる

(売買契約の場合) 売主-代金債権・引渡債務
買主-引渡債権・代金債務

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