教養民法基礎コース

強行規定VS任意規定

Question【ケース0-2】

AさんがB所有の不動産を借りる際に取り交わした契約書の中には何条にもわたって詳細な規定が置かれています。法律の素人のAさんにとっては読んでも良く分からない条項もたくさんあります。この契約書に書かれた内容と法律(民法や借地借家法)の規定が異なる場合、AB間で生じた紛争はどちらの内容で解決を図るのでしょうか?

民法には強行規定と任意規定が混在している

民法には、当事者間で取り決めた約束(特約)によって排除できない規定である強行規定と当事者間で取り決めた約束(特約)によって排除できる規定である任意規定があります。

【図解0-2①】強行規定と任意規定

強行規定と任意規定

民法に存在するある規定(条文)が強行規定の場合、それが常に適用されます。当事者がその強行規定と異なるルール設定をすることはできません。

一方、民法に存在するある規定(条文)が任意規定の場合には、当事者間で取り決めた約束(特約)が優先することになり、特約がない場合のみ民法の規定が適用されることになります。

強行規定なのか任意規定なのかは条文の規定の仕方から分かる場合もありますが、実際、強行規定か任意規定かの判別は、明確ではありません。
ただし、物権編には強行規定が多く、債権編では任意規定が多い傾向があります。

【図解0-2②】強行規定と任意規定の適用関係

強行規定と任意規定の適用関係

物権編には強行規定、債権編では任意規定が多い傾向

民法は、財産に関して規律する「財産法」と家族関係に関して規律する「家族法」の分野から構成されています。

「財産法」の分野は、「総則」「物権」「債権」に分けられ、「家族法」の分野は「親族」「相続」に分けられます。

【図解0-2③】民法の全体構造

民法の全体構造

債権編には特約の方が優先することになる任意規定が多いとされています。一方、それ以外の領域では、特に物権編ですが、特約では排除できない強行規定が多い傾向があります。

Answer【ケース0-2】

AB間で締結された賃貸借契約書の中に書かれている内容が、民法(借地借家法)の強行規定に反する内容であればそれは適用されません。民法(借地借家法)の規定で解決を図ります。一方、賃貸借契約書の中に書かれている内容が、民法(借地借家法)の任意規定に関するものであれば契約内容(特約)は有効です。したがって、契約内容(特約)が適用されて、処理されることになります。

【板書ノート0-2】

強行規定-当事者間で取り決めた約束(特約)によって排除できない規定で
任意規定-当事者間で取り決めた約束(特約)によって排除できる規定

当事者間の特約は、任意規定よりも優先して適用される
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